電源回路・その他
バッテリー電源、リニアー電源、メッキ加工、電子部品ケース
バッテリー電源
自作の回路を駆動する為のバッテリー電源。バッテリーにすることでグラウンドループ、電源雑音を抑制し、雑音測定・高感度測定で有効です。
仕様:バッテリー(ニッケル水素電池)、出力電圧(±2.4 V, ± 4.8 V, ± 7.2 V)、コネクタ(NCS16-4P×2, ミニDIN-6P×4)
構成:全体は充電回路、放電回路、バッテリー・出力コネクタ、電圧モニター・スイッチからなっており、充放電と電圧のモニターはフロントパネルのスイッチで簡単に操作。
作製:バッテリーと充電回路はAmazonで安いものを購入。バッテリーはラジコン用のニッケル水素電池などです。最初に配置をよく考えてあとは作るだけ。※リチャードは小型大容量なのですが使用法が特殊なので使いにくいです。
使用時にバッテリー・出力コネクタの部分は電気的に他の部分と分離するようにしました。出力と他の回路との接続部にはフィルターを付けています。さらに、バッテリーはシールドで覆っています。少しやりすぎました。
充電の状態を示すLEDは光ファイバーを使ってフロントパネルで見れるようにしています。
放電回路はセラミック抵抗とダイオードの直列回路です。電圧が下がると放電が自動で終わります。
リニアー電源
市販のコーセルのリニアー電源を使って作りました。
メッキ加工
コネクターの接続部やワイヤーボンディングをする端子などを金にメッキしたい場合がよくあります。ちょっとしたメッキに便利なのがマルイ鍍金工業さんのめっき工房です。
仕様:デフォルトでは9V電池を使用します。私は改造し、9VのアダプターとON-OFF用のスイッチを取り付けて使用しています。メッキの種類は、金・ニッケル・銀・銅・錫・亜鉛などです。※頻繁に使うのは銅の上に金メッキですが、金は銅に拡散しやすいので下地にニッケルをメッキします。
使用法:ピカールや付属の研磨剤でメッキする表面の酸化膜をしっかりとります。また、アルコールなどで油分や汚れをしっかり落とします。この最初の処理でメッキ後の綺麗さが決まってしまいます。あとはめっき工房の先のフェルトにメッキ液を染み込ませて、電極をつないだ材料をなぞるだけです。
使用例:以下が実際にメッキした例です。
電子部品ケース
高感度な電子部品や微細加工した試料は静電気に弱いので導電性のケースに保管します。また、低温アンプに使用するHEMTは個体差が大きいので特性を調べた後、分けて保管しています。市販の導電性ケースにいいものが見つからないので導電性塗料を使って自作しています。
市販の導電性と塗料:モノタロウにいろんな導電性塗料が売っています。左はグレーで抵抗率は低め。右は透明ですが低効率は高めです。
冬場は静電気で頻繁に試料が破壊されたりします。そういう時にも使えるかもしれません。
作例:下の写真は高移動度トランジスター(HEMT)の保管用に作ったケースです。3mm厚の黒いアクリル板をNCフライスで加工し、導電性塗料を塗布しています。蓋は2mm厚の透明アクリル板を使っています。