電子/機械工作 – Electronics/Machine-


電子工作 –Electronics

ちょっとした電気工作を自分でできると、実験の効率が上がります。また、コンデンサや抵抗を勉強していくとマテリアルの勉強にもなるし、高周波を勉強すると電磁気学で学んだことが生きてきます。個人的にはマルツパーツの店頭に行ってどんなものがあるのか実際に見てみるのがお勧め。あとRS・マルツパーツ(デジキー含む)のサイトを見て興味あるものを買って試してみる。

オペアンプ回路 -OP amp-

市販のオペアンプを利用して低雑音な増幅器、DC測定用のゼロドリフトアンプ、I-Vコンバーターなどを作製しています。

FET増幅回路(低温用) -Cryoamp-

好感度な測定を行うには増幅器を低温部に置いた方が増幅器の発する雑音を抑えることができます。しかし、極低温で使用できる増幅器、 特に低周波用のものは市販で手に入れるのが困難です。そこで、市販の高移動度トランジスター(HEMT)を利用して増幅器を自作しています。

パッシブ回路 –Passive circuit

パッシブフィルター、検波器は簡単に作れるので基本的に自作しています。

電源回路・メッキ・その他

作製したアクティブ回路を駆動させるための電源回路。増幅器を駆動する低雑音電源はNFなどで買えますが、高いので自作しています。

プリント基板加工

プリント基板の加工にはいくつか方法がありますが、大きく分けて塩化第二鉄でエッチングする方法とNCフライスで削る方法があります。それぞれの長所や加工の限界、細かなテクニックを紹介しています。

RFコンポーネント

基本的に作製の難易度の高いRFコンポーネントは市販のものを使います。お金の都合や形状の都合で自作します。

※MMICを用いると比較的安価に高性能のコンポーネントを作ることができます。

余談:RFコンポーネントでは電磁波の干渉、電磁波モードの相互作用を利用したものが多くあります。なので、電子の波としての性質に注目したメゾスコピック物理と多くのアナロジーがあります。 その具体例についても触れていきたいと思います。

ケーブルアセンブリー

低周波に使用するBNCコネクタ付きケーブルや多芯のシールドケーブルはもちろん、高周波用のSMA、SMPコネクタ付きケーブルも必要に応じてアセンブリーしています。特に、 高周波用のケーブルアセンブリーは自分でできると非常に安価ですし、 狭い冷凍機中に高周波ケーブルを配線する場合には、必要な長さのケーブルをその場で作れると時間の短縮になります。

機械工作 –Machining

簡単な工作は自前の機器を使用して作製します。コストも抑えられるし、欲しいときにすぐ作れるのがメリットです。精度がいる場合や大きなものの加工は大学の工作センターを利用しています。難易度が高い工作は京都にある笹原技研さんに図面を描いて依頼しています。

所有する道具:卓上旋盤・卓上フライス盤・バンドソー・銀ロウ付け・電動ドリル・グラインダー・ルーター・高速切断機・ジグソーなど

自作クライオスタット

最近では無冷媒の冷凍機が普及していますが、液体ヘリウムがある環境では、工夫と知識(熱力学・熱伝工学・材料物性・材料力学など )次第で安価に低温実験を行えます。

マグネット巻線機

銅線を使った室温用マグネットからNbTi線を使った超電導マグネットも自作で作っています。現在はヘリウムベッセルに突っ込む自作冷凍機で最大4.8 Tまで磁場と印加できます。今後はボアの小さいタイプを作り、8 Tを実現する予定です。また、高温超電導線を使ったマグネットも作製予定です。

繊維強化プラスチック(FRP)

FRPは強度があるわりに熱伝導率が低いので低温実験には欠かせないものです。例えば、液体ヘリウムベッセルのネック部分やクライオスタットなどに利用されています。使いたい形状のFRPが安価に売られているわけではないので自作しました。作り方はyoutubeで車のパーツなどを自作している人が多くいるので参考にしました。

ラック・作業台

強度と使い易さは気にしますが、基本的には“安く・簡単に”作ってます。なので、木材では2×4材、金属ではマルチアングルやベーシックフレームを多用しています。気分転換にもなりますし、安さと寸法や形状の自由度が高いのが大きなメリットです。